社会保険労務士　鈴木翔太郎事務所

保険証だけじゃない！健康保険は、こんな保険！

健康保険と言えば、医療機関などで提示する健康保険証のイメージが強いかと思います。

確かに、病院や薬局での健康保険利用は、制度の柱です。

保険適用で、窓口での支払額が少なくなっています。

しかし、健康保険には他にも素晴らしいメニューがあります。

このページでは、数ある給付から代表して、傷病手当金と高額療養費についてポイントをご紹介します。

病気やけがで休業時は、傷病手当金で収入補償できます。

傷病手当金は、一言で申し上げますと、休業時の収入補償の制度です。

病気やケガで、お仕事を比較的長期にわたりお休みするケースはあると思います。
休業中は、お給料が出ないというケースが一般的です。
そんな時、健康保険に加入していると、傷病手当金で収入保障を受けられます。

ただし、傷病手当金の対象は私傷病に限られます。
業務上の病気やケガは、労災保険から休業補償を受けることになります。

金額は、休業1日につき、おおよそお給料の2/3程度となります。
実際には、標準報酬日額という数字を使うので、目安としてお考え下さい。
受給は、休業4日目からとなります。（連続3日の待機が必要）

受給期間は最長で1年6ヵ月となります。
（健康保険組合によっては、もっと長いところもあります）

仕事を休業することになった方は、退職の一択ではなく、傷病手当金を受給しながら、休業という方法も選択肢として検討いただければと思います。

参考➡　全国健康保険協会　傷病手当金

また、傷病手当金は自営業者さんなどが市区町村で加入する国民健康保険では、制度がないケースが多いです。
国民健康保険に加入されているときは、自治体へご確認ください。

医療費の上限、高額療養費制度

高額療養費制度とは、ひと月当たりの医療費の負担額を一定の金額でストップさせようという制度です。

保険適用で医療費の負担が少なくなっているとはいえ、金額が大きくなってしまうことは少なくありません。

そんな時は、一定の金額を超えた分が健康保険より後から払い戻されます。

基準となる負担の限度額は、本人の報酬額や年齢によって変わります。
参考➡　全国健康保険協会　高額療養費　自己負担限度額
（健康保険組合は、別の基準を設けているケースもあります。）

なお、前もって高額な医療費が予想できているときは、限度額認定証の交付を受けることができます。
この交付を受けていると、限度額以上の支払いをする必要がなくなります。
（認定証がないと、いったん支払い➡あとから返還という流れになります。）

高額な医療を受ける際の負担が軽くなる素晴らしい制度となります。

その他、制度の詳細は、全国健康保険協会のサイトもご参考ください。
参考➡　全国健康保険協会　高額療養費